人間か




主にフェルトと綿で構成されている. 骨組みは丸められた新聞紙でできている.
右脳部分は捨てられていたCDドライブ, CPU, サウンドカード, その他コンピュータパーツなどで構成されている. (これらは廃棄物としてある大学に捨てられていたものである.)
左脳は, 粘土とアクリル絵の具, ニスによってできている.
高さは1.5m, 重さは25kg.




まず, 私は人々に考えてほしかった.
私は私たちが考える時間を持つことが少なくなったのではないかと思った.
現代社会では情報, 知識, これらを我々はいつでも好きなときに好きなものを手に入れることが出来る.
我々は情報を絶え間なく得る一方で, 考える時間を失っているのではないか.
これが作品を作るにあたりまず念頭にあったことである.

詳しくはポートフォリオConscious Artwork編を.







"世界は情報にあふれ, 私たちはいつでも好きな情報を手に入れることが出来る"











"あなたの何があなたをあなたとするのか" が, もうこの作品のもうひとつのテーマである.
日本では現在, 脳死を人の死とするかが論点となっている. 肉体は生きているが頭脳が死んだ状態である.

そして私は人工臓器にも興味があった. 私は腕を失いかけたことがあり, 身近にも人工骨や人工臓器をもつ人が居たためである.
現在の義肢は物を感じることができるものもあり, 体のほとんどの部品は人工の物のに置き換えることが可能となってきている (無論オリジナル以上のものではまだないが). 全置換型の人工心臓をも臨床試験をうける時代である.
そう遠くない未来に脳以外が人工臓器で補われた人がでてくるだろう. SF作品にはありがちな話だが, もうすぐそれがサイエンス・フィクションではなくなる日は近いだろう.

しかし, ターミネーターのような, 金属的で恐ろしげなロボットは人々を作品から遠ざからせるかもしれない.
その為私はフェルトで(そして人を落ち着かせるというピンク色を主に用い)この作品を作った. これにより老若男女が作品に興味をもてると考えた.





試作品







CPU: AMD-K6-2 450Mhz
DVD-R/RW: Pioneer DVR-A04
Sound: Creative VIBRA128 OEM

この作品は卒業制作で, 佳作をいただいた.